![]() 抗tslpr抗体の設計製作
专利摘要:
本発明は、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物、および例えば炎症性疾患の治療におけるその使用に関連する。一つの実施形態において、本発明はまた、薬学的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせた、上記で記載した結合化合物のいずれかを含む組成物を含む。別の実施形態において、本発明はまた、免疫反応を抑制するための薬物の調製のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。本発明はまた、炎症を治療するための薬物の調製のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。 公开号:JP2011511638A 申请号:JP2010546045 申请日:2009-02-06 公开日:2011-04-14 发明作者:ウォール;マルフィット,;レネ デ;レオナルド;ジー. プレスタ, 申请人:シェーリング コーポレイションSchering Corporation; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] 本発明は一般的に、胸腺間質性リンパ球新生因子受容体(TSLPR)特異的抗体、および特に炎症性およびアレルギー性炎症性疾患におけるその使用に関連する。] 背景技術 [0002] 免疫系は、感染性病原体、例えば細菌、多細胞生物、およびウイルスから、および癌から個人を保護するために機能する。このシステムは、単球、マクロファージ、樹状細胞(DC)、好酸球、T細胞、B細胞、および好中球のような、いくつかの型のリンパ球系細胞および骨髄系細胞を含む。これらのリンパ球系細胞および骨髄系細胞は、多くの場合、サイトカインとして知られるシグナル伝達タンパク質を産生する。その免疫反応は、炎症、すなわち全身性または体の特定の位置における免疫細胞の蓄積を含む。感染性病原体または外来性物質に対する反応において、免疫細胞はサイトカインを分泌し、それが今度は、免疫細胞の増殖、発達、分化、または遊走を調節する。免疫反応は、例えば、アレルギー性炎症性疾患におけるような、過剰な炎症を伴う場合、病的な結果を生じ得る。] [0003] TSLPは、前同種異系の(proallogenic)表現型を有する、樹状細胞媒介CD4+T細胞反応を誘導する免疫サイトカインである(非特許文献1)。TSLPは、アレルギー性炎症の開始に関与する(非特許文献2;非特許文献3)。] [0004] TSLPR鎖は、ヘマトポエチン受容体ファミリーのメンバーであり、そして低い親和性でTSLPに結合する。TSLPRおよびIL−7Rアルファ鎖の組み合わせは、高親和性の結合を引き起こし、そしてTSLP刺激に対してSTAT5活性化および細胞増殖を引き起こす。] [0005] 免疫疾患に関与するいくつかの抗原標的に対して、抗体が開発されている。インビボにおいて、治療薬として抗体を使用することにおいて最も重要な制限は、抗体の免疫原性である。ほとんどのモノクローナル抗体は、げっ歯類由来であるので、ヒトにおける反復使用は、治療抗体に対する免疫反応の発生を引き起こす。そのような免疫反応は、最低でも治療的効果の喪失をもたらし、そして最悪の場合致死的なアナフィラキシー反応を引き起こす可能性がある。げっ歯類抗体の免疫原性を抑制するための最初の努力は、マウス可変領域をヒト定常領域と融合した、キメラ抗体の産生を含んでいた。非特許文献4。しかし、ヒト可変領域およびマウス定常領域のハイブリッドを注射したマウスは、ヒト可変領域に対する強い抗抗体反応を生じ、そのようなキメラ抗体においてげっ歯類Fv領域全体を保持することは、依然として患者において望ましくない免疫原性を生じ得ることが示唆される。] [0006] 可変ドメインの相補性決定領域(CDR)ループが、抗体分子の結合部位を含むと一般的に考えられる。従って、げっ歯類配列をさらに最小限にするために、げっ歯類CDRループのヒトフレームワークへの移植(すなわちヒト化)が試みられた。非特許文献5;非特許文献6。しかし、CDRループの交換は、もとの抗体と同じ結合性質を有する抗体を均一には生じ得ない。抗原結合親和性を保持するために、ヒト化抗体において、CDRループの支持に関与する残基である、フレームワーク残基(FR)の変更も必要であり得る。非特許文献7。いくつかのヒト化抗体構築物における、CDR移植の使用およびフレームワーク残基の保存が報告されたが、特定の配列が、望ましい結合、および時には生物学的性質を有する抗体を生じるかどうか予測することは困難である。例えば、非特許文献8、非特許文献9、および非特許文献10を参照のこと。] [0007] 本発明は、設計製作したTSLPR抗体および炎症性疾患、および特にアレルギー性炎症性疾患を治療するためのその使用を提供する。] 先行技術 [0008] Gillietら、J.Exp.Medicine(2003)197(8):1059−1063 Watanabeら、Nature Immunology(2004)5:426−434 Soumelisら、Nature Immunology(2002)3:673−680 Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:3439−43 Jonesら、Nature(1986)321:522 Verhoeyenら、Science(1988)239:1534 Kabatら、J.Immunol.(1991)147:1709 Queenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:10029 Gormanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991)88:4181 Hodgson、Biotechnology(NY)(1991)9:421−5] 課題を解決するための手段 [0009] 本発明は、ヒトTSLPRに結合する抗体を含む。] [0010] 1つの実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも1つのCDR配列を含む;または(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも1つのCDR配列を含む。] [0011] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも1つのCDR配列を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも1つのCDR配列を含む。] [0012] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも2つのCDR配列を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも2つのCDR配列を含む。] [0013] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも3つのCDR配列を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の前記配列の変異体から成る群から選択される、少なくとも3つのCDR配列を含む。] [0014] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号1、2、および3で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号4、5、および6で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0015] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:配列番号1のCDR−H1配列またはその変異体、配列番号2のCDR−H2配列またはその変異体、および配列番号3または配列番号73のCDR−H3配列またはその変異体;および配列番号4のCDR−L1配列またはその変異体、配列番号5のCDR−L2配列またはその変異体、および配列番号6または配列番号74のCDR−L3配列またはその変異体。] [0016] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号7、8、および9で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号10、11、および12で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0017] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号13、14、および15で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号16、17、および18で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0018] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号19、20、および21で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号22、23、および24で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0019] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号25、26、および27で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号28、29、および30で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0020] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号31、32、および33で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号34、35、および36で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0021] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号37、38、および399番で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号40、41、および42で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0022] 別の実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPRに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記重鎖可変領域は、配列番号43、44、および45で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む;および(ii)少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片で、前記軽鎖可変領域は、配列番号46、47、および48で示した3つのCDR配列または任意の前記配列の変異体を含む。] [0023] 1つの実施態様において、本発明は、配列番号51の残基1−116または前記配列の変異体を含む重鎖可変領域;および配列番号52の残基1−108または前記配列の変異体を含む軽鎖可変領域を含む、結合化合物を含む。] [0024] 1つの実施態様において、本発明は、配列番号57の残基1−116または前記配列の変異体を含む重鎖可変領域;および配列番号58の残基1−108または前記配列の変異体を含む軽鎖可変領域を含む、結合化合物を含む。] [0025] 1つの実施態様において、本発明は、配列番号61の残基1−116または前記配列の変異体を含む重鎖可変領域;および配列番号62の残基1−108または前記配列の変異体を含む軽鎖可変領域を含む、結合化合物を含む。] [0026] 上記の実施態様のいずれかにおいて、その変異体は、3つまでの保存的に改変されたアミノ酸残基を含み得る。1つの実施態様において、その変異体は、3つの保存的に改変されたアミノ酸残基を含み得る。別の実施態様において、その変異体は、2つの保存的に改変されたアミノ酸残基を含み得る。さらに別の実施態様において、その変異体は、1つの保存的に改変されたアミノ酸残基を含み得る。] [0027] 1つの実施態様において、本発明は、以下のものを含む、ヒトTSLPに特異的に結合する結合化合物を含む:(i)51、57、および61から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する重鎖可変領域;および(ii)52、58、および62から成る群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する軽鎖可変領域。] [0028] いくつかの実施態様において、上記で記載した結合化合物は、TSLPのTSLPRへの結合を阻害する、および/またはTSLPRが媒介する活性を阻害する。] [0029] 上記で記載した実施態様のいずれかにおいて、その結合化合物は、抗体または抗体断片である。] [0030] 上記で記載した実施態様のいずれかにおいて、その結合化合物は、ヒト化抗体またはそのTSLPR結合断片であり得る。] [0031] 1つの実施態様において、その結合化合物は、Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、およびダイアボディから成る群から選択される、TSLPR結合抗体断片である。] [0032] 上記で記載した実施態様のいずれかにおいて、その結合化合物はさらに、ヒト重鎖定常領域またはその変異体を含み得、ここでその変異体は、20個までの保存的に改変されたアミノ酸置換を含む;またはヒト軽鎖定常領域またはその変異体を含み得、ここでその変異体は、20個までの保存的に改変されたアミノ酸置換を含む。] [0033] 上記で記載した実施態様のいずれかにおいて、その結合化合物はさらに、γ4またはγ1ヒト重鎖定常領域またはその変異体を含み得、ここでその変異体は、20個までの保存的に改変されたアミノ酸置換を含む。] [0034] 好ましい実施態様において、エフェクター機能を排除するために、そのヒト可変重鎖ドメインを、IgG4バックボーンへ移植する。] [0035] 本発明はまた、抗体13H5、70E8、54C11、49A5、4G8、54A11、61C11および18B3から成る群から選択される抗体が結合する、ヒトTSLPR上のエピトープに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片を含む。] [0036] 本発明はさらに、抗体13H5、70E8、54C11、49A5、4G8、54A11、61C11および18B3から成る群から選択される抗体の結合を競合的に阻害する抗体またはその抗原結合断片を含む。] [0037] 本発明はまた、本発明の結合化合物をコードする単離された核酸も含む。本発明はまた、上記で記載した核酸を含む発現ベクターも含む。1つの実施態様において、その発現ベクターは、宿主細胞にそのベクターをトランスフェクトしたときに、宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作動可能に連結する。本発明はまた、以下の工程を含む、ポリペプチドを産生する方法を含む:上記で記載した宿主細胞を、その核酸配列が発現する条件下で培地において培養し、それによって軽鎖および重鎖の可変領域を含むポリペプチドを産生する工程;およびそのポリペプチドを宿主細胞または培地から回収する工程。] [0038] 本発明はまた、その必要のある対象に、TSLPRの生物学的活性を阻害するのに十分な量で、上記で記載した結合化合物またはそのTSLPR結合断片のいずれか1つを投与する工程を含む、ヒト対象において免疫反応を抑制する方法を含む。1つの実施態様において、その免疫反応は炎症性反応である。1つの実施態様において、その対象は、アレルギー性鼻副鼻腔炎、アレルギー性喘息、アレルギー性結膜炎、またはアトピー性皮膚炎から成る群から選択される疾患を有する。好ましい実施態様において、その対象は喘息を有する。] [0039] 本発明はまた、薬学的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせた、上記で記載した結合化合物のいずれかを含む組成物を含む。] [0040] 本発明はまた、免疫反応を抑制するための薬物の調製のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。] [0041] 本発明はまた、炎症を治療するための薬物の調製のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。] [0042] 本発明はまた、アレルギー性炎症を治療するための調製物のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。] [0043] 本発明はまた、アレルギー性鼻副鼻腔炎、アレルギー性喘息、アレルギー性結膜炎、またはアトピー性皮膚炎を治療するための薬物の調製のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。] [0044] 本発明はまた、喘息を治療するための薬物の調製のために、本発明の結合化合物のいずれかを使用することを含む。] 図面の簡単な説明 [0045] 図1Aは、マウス13H5抗体とヒト化13H5抗体の重鎖の可変ドメインのアラインメントである(それぞれ配列番号49および51)。マウス抗体とヒト化抗体の間の差異を、アスタリスクで示す。CDR配列は太字である。 図1Bは、マウス13H5抗体とヒト化13H5抗体の軽鎖の可変ドメインのアラインメントである(それぞれ配列番号50および52)。マウス抗体とヒト化抗体の間の差異を、アスタリスクで示す。CDR配列は太字である。 図2Aは、ラット抗体18B3(配列番号71)、およびマウス抗体70E8(配列番号55)、13H5(配列番号49)、49A5(配列番号63)、4G8(配列番号65)、54A11(配列番号67)、54C11(配列番号59)、および61C11(配列番号69)の重鎖の可変ドメインのアラインメントである。CDR配列を強調する。 図2Bは、ラット抗体18B3(配列番号72)、およびマウス抗体70E8(配列番号56)、13H5(配列番号50)、49A5(配列番号64)、4G8(配列番号66)、54A11(配列番号68)、54C11(配列番号60)、および61C11(配列番号70)の軽鎖の可変ドメインのアラインメントである。CDR配列を強調する。 図3Aは、hu13H5の重鎖の可能な可変ドメイン配列を示す(配列番号53)。 図3Bは、hu13H5の軽鎖の可能な可変ドメイン配列を示す(配列番号54)。] 図1A 図1B 図2B 図3A 図3B [0046] 添付の特許請求の範囲を含め本明細書中で使用する場合、文脈が他に明確に指示しなければ、「a」、「an」、および「the」のような、単語の単数形は、それらの対応する複数形の言及を含む。本明細書中で引用した全ての文献は、あたかも個々の出版物、特許出願、または特許のそれぞれが、明確にかつ個々に参照として援用されることが示されたのと同じ程度に、参照として援用される。] [0047] I.定義 細胞または受容体に適用する場合、文脈によってまたは明確に他に指示がなければ、「活性化」、「刺激」および「処置」は同じ意味を有し得る(例えば、リガンドによる、細胞または受容体の活性化、刺激、または処置)。「リガンド」は、天然および合成のリガンド、例えばサイトカイン、サイトカイン変異体、アナログ、ムテイン、および抗体由来の結合組成物を包含する。「リガンド」はまた、小分子、例えばサイトカインのペプチド模倣物および抗体のペプチド模倣物を包含する。「活性化」は、内部メカニズムによって、および外部因子または環境因子によって調節される細胞活性化を指し得る。例えば細胞、組織、臓器、または有機体の「反応」は、生化学的または生理学的挙動(例えば、濃度、密度、接着、または生物学的区画内の遊走、遺伝子発現の速度、または分化の状態)の変化を包含し、ここでその変化は、活性化、刺激、または処置と関連するか、または遺伝プログラミングのような内部メカニズムと関連する。] [0048] 分子の「活性」は、分子のリガンドまたは受容体への結合を、触媒活性を、遺伝子発現または細胞のシグナル伝達、分化、または成熟を刺激する能力を;抗原活性を、他の分子の活性の調節等を、記載するかまたは指し得る。分子の「活性」はまた、細胞対細胞の相互作用(例えば接着)の調節または維持における活性、または細胞の構造(例えば細胞膜または細胞骨格)の維持における活性を指し得る。「活性」はまた、比活性(例えば[触媒活性]/[mgタンパク質]または[免疫学的活性]/[mgタンパク質])、生物学的区画内の濃度等を意味し得る。「増殖活性」は、例えば正常な細胞分裂、および癌、腫瘍、形成異常、細胞の形質転換、転移および新脈管形成を促進する活性、正常な細胞分裂、および癌、腫瘍、形成異常、細胞の形質転換、転移および新脈管形成に必要な活性、または正常な細胞分裂、および癌、腫瘍、形成異常、細胞の形質転換、転移および新脈管形成と明確に関連する活性を含む。] [0049] 動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、臓器、または生物学的液体に適用する場合、「投与」および「治療」は、外来性の薬剤、治療薬、診断薬、または組成物の、動物、ヒト、対象、細胞、組織、臓器、または生物学的液体との接触を指す。「投与」および「治療」は、例えば治療の、薬物動態学的な、診断の、研究、または実験の方法を指し得る。細胞の治療は、試薬の細胞との接触、および液体が細胞と接触する場合、試薬のその液体との接触を含む。「投与」および「治療」はまた、例えば細胞の、試薬、診断薬、結合組成物による、または別の細胞による、インビトロおよびエキソビボでの治療を意味する。ヒト、獣医学的対象、または研究対象に適用する場合、「治療」は、治療的措置、予防的(prophylactic)または予防的(preventative)処置、研究および診断的適用を指す。] [0050] 本明細書中で使用する場合、「抗体」という用語は、望ましい生物学的活性を示す、あらゆる形態の抗体またはその断片を指す。従って、それは最も広い意味で用いられ、そしてモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異的(multispecific)抗体(例えば二重特異性抗体)、およびそれらが望ましい生物学的活性を示す限り抗体断片を特に含む。] [0051] 本明細書中で使用する場合、「TSLPR結合断片」または「その結合断片」という用語は、実質的に依然としてTSLPR活性を阻害するその生物学的活性を保持する抗体の断片または誘導体を包含する。従って、「抗体断片」という用語またはTSLPR結合断片は、全長抗体の一部、一般的にその抗原結合領域または可変領域を指す。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFv断片;ダイアボディ;線状抗体(linear antibody)、1本鎖抗体分子(例えばsc−Fv);ドメイン抗体;および抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。典型的には、結合断片または誘導体は、そのTSLPR阻害活性の少なくとも10%を保持する。好ましくは、結合断片または誘導体は、そのTSLPR阻害活性の少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%(またはそれを超える)を保持するが、望ましい生物学的効果を発揮するために十分な親和性を有するあらゆる結合断片が有用である。TSLPR結合断片が、その生物学的活性を実質的に変化させない保存的アミノ酸置換を含み得ることも意図される。] [0052] 本明細書中で使用する場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指す、すなわち集団を構成する個々の抗体が、少量存在し得る、可能性のある天然に存在する変異以外は同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一の抗原性エピトープに向けられる。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は、典型的には異なるエピトープに対する(またはそれらに特異的な)複数の抗体を含む。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体の特徴を示し、そしていかなる特定の方法による抗体の産生を必要とするとも解釈されない。例えば、本発明によって使用するモノクローナル抗体を、最初にKohlerら(1975)Nature 256:495によって記載されたハイブリドーマ法によって作成し得るか、または組換えDNA法(例えば米国特許第4,816,567号を参照のこと)によって作成し得る。「モノクローナル抗体」をまた、例えばClacksonら(1991)Nature 352:624−628およびMarksら(1991)J.Mol.Biol.222:581−597において記載された技術を用いて、ファージ抗体ライブラリーからも単離し得る。] [0053] モノクローナル抗体は本明細書中で、「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を特に含み、ここでその重鎖および/または軽鎖の一部は、特定の種由来の抗体または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか、または相同的であり、一方残りの鎖(複数可)は、別の種由来の抗体または別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体、およびそれらが望ましい生物学的活性を示す限り、そのような抗体の断片における対応する配列と同一であるか、または相同的である(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら(1984)Proc.Natl.Acad Sci.USA 81:6851−6855)。] [0054] 「ドメイン抗体」は、重鎖の可変領域または軽鎖の可変領域のみを含む、免疫学的に機能的な免疫グロブリン断片である。いくつかの例において、2つまたはそれを超えるVH領域をペプチドリンカーと共有結合させて、二価のドメイン抗体を作成する。二価ドメイン抗体の2つのVH領域は、同じかまたは異なる抗原を標的とし得る。] [0055] 「二価抗体」は、2つの抗原結合部位を含む。いくつかの例において、その2つの結合部位は、同じ抗原特異性を有する。しかし、二価抗体は、二重特異性であり得る(下記を参照のこと)。] [0056] 本明細書中で使用する場合、「1本鎖Fv」または「scFv」抗体という用語は、抗体のVHドメインおよびVLドメインを含む抗体断片を指し、ここでこれらのドメインは、1本のポリペプチド鎖に存在する。一般的に、Fvポリペプチドはさらに、VHドメインおよびVLドメインの間にポリペプチドリンカーを含み、それはsFvが抗原結合のための望ましい構造を形成することを可能にする。sFvの概説に関して、Pluckthun(1994) THEPHARMACOLOGY OF MONOCLONALANTIBODIES、113巻、RosenburgおよびMoore編、Springer−Verlag、New York、269−315頁を参照のこと。] [0057] 本明細書中におけるモノクローナル抗体はまた、ラクダ化(camelized)単一ドメイン抗体を含む。例えば、Muyldermansら(2001)TrendsBiochem.Sci.26:230;Reichmannら(1999)J.Immunol.Methods 231:25;WO94/04678;WO94/25591;米国特許第6,005,079号を参照のこと。それらは本明細書によってその全体が参照により援用される。1つの実施態様において、本発明は、単一ドメイン抗体が形成されるような改変を有する、2つのVHドメインを含む単一ドメイン抗体を提供する。] [0058] 本明細書中で使用する場合、「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片を指し、その断片は、同じポリペプチド鎖において、軽鎖可変ドメイン(VL)と連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む(VH−VLまたはVL−VH)。同じ鎖の2つのドメイン間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを用いることによって、そのドメインは別の鎖の相補的なドメインと対形成するよう強制され、そして2つの抗原結合部位を生じる。ダイアボディは、例えばEP404,097;WO93/11161およびHolligerら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448においてより完全に記載される。設計製作した抗体変異体の概説に関しては一般的に、HolligerおよびHudson(2005)Nat.Biotechnol.23:1126−1136を参照のこと。] [0059] 本明細書中で使用する場合、「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト(例えばマウス)抗体およびヒト抗体由来の配列を含む抗体の形態を指す。そのような抗体は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小限の配列を含む。一般的に、ヒト化抗体は、実質的に全ての少なくとも1つ、そして典型的には2つの可変ドメインを含み、ここで全てのまたは実質的に全ての超可変ループは、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、そして全てのまたは実質的に全てのFR領域は、ヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体はまた任意で、少なくとも免疫グロブリン定常領域(Fc)の一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含む。ヒト化抗体(例えば「hu13H5」)を親のげっ歯類抗体(例えばマウス13H5、または「m13H5」)から区別する必要がある場合、接頭辞「hu」または「hum」を、抗体クローンの命名に加える。げっ歯類抗体のヒト化形態は一般的に、親げっ歯類抗体の同じCDR配列を含むが、ヒト化抗体の親和性を増加させるため、または安定性を増加させるために、一定のアミノ酸置換を含み得る。] [0060] 本発明の抗体はまた、変化したエフェクター機能を提供するために、改変した(またはブロックした)Fc領域を有する抗体を含む。例えば米国特許第5,624,821号;WO2003/086310;WO2005/120571;WO2006/0057702;Presta(2006)Adv.Drug Delivery Rev.58:640−656を参照のこと。そのような改変を用いて、診断および治療において可能性のある有用な効果を有する、免疫系の様々な反応を増強または抑制するのに使用し得る。Fc領域の変化は、アミノ酸変化(置換、欠失、および挿入)、糖鎖付加または糖鎖除去、および複数のFcを加えることを含む。Fcの変化はまた、治療抗体における抗体の半減期を変化させ得、そしてより長い半減期は、利便性の増加および材料使用の減少を伴う、より少ない頻度の投与を生じる。Presta(2005)J.Allergy Clin.Immunol.116:731および734−35を参照のこと。] [0061] 「完全なヒト抗体」という用語は、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列のみを含む抗体を指す。完全なヒト抗体は、マウスにおいて、マウス細胞において、またはマウス細胞由来のハイブリドーマにおいて産生された場合、マウスの炭水化物鎖を含み得る。同様に、「マウス抗体」は、マウス免疫グロブリン配列のみを含む抗体を指す。] [0062] 本明細書中で使用する場合、「超可変領域」という用語は、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(例えば軽鎖可変ドメインにおける残基24−34(CDRL1)、50−56(CDRL2)、および89−97(CDRL3)、および重鎖可変ドメインにおける残基31−35(CDRH1)、50−65(CDRH2)、および95−102(CDRH3);Kabatら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md)、および/または「超可変ループ」由来の残基(すなわち軽鎖可変ドメインにおける残基26−32(L1)、50−52(L2)、および91−96(L3)、および重鎖可変ドメインにおける26−32(H1)、53−55(H2)、および96−101(H3);ChothiaおよびLesk(1987)J.Mol.Biol.196:901−917)を含む。本明細書中で使用する場合、「フレームワーク」残基または「FR」残基という用語は、本明細書中でCDR残基として規定した超可変領域残基以外の、可変ドメイン残基を指す。上記の残基のナンバリングは、Kabatのナンバリングシステムと関連し、そして必ずしも詳細において付随する配列リストの配列ナンバリングと対応しない。表2および3を参照のこと、ここで配列ナンバリングは配列リストと関連する。] [0063] 「結合」は、結合組成物と標的との会合を指し、ここでその会合は、結合組成物が溶液中に溶解または懸濁し得る場合には、結合組成物の正常なブラウン運動の抑制を引き起こす。] [0064] 「結合化合物」は、ヒトTSLPRに特異的に結合する1つまたは複数のアミノ酸配列を含む分子を指す。1つの好ましい実施態様において、その結合化合物は抗体である。別の好ましい実施態様において、その結合化合物は抗体断片を含む。] [0065] 「結合組成物」は、標的に結合し得る、安定剤、賦形剤、塩、緩衝剤、溶媒、または添加物と組み合わせたTSLPR結合化合物を指す。] [0066] 「保存的に改変された変異体」または「保存的置換」は、当業者に公知であり、そして一般的に得られる分子の生物学的活性を変えることなく行い得るアミノ酸の置換を指す。当業者は、一般的に、ポリペプチドの必須でない領域における単一のアミノ酸置換は、生物学的活性を実質的に変化させないことを認識する(例えばWatsonら、Molecular Biology of the Gene、The Benjamin/Cummings Pub.Co.224頁(第4版、1987)を参照のこと)。そのような代表的な置換を、好ましくは以下のような表1に記載したものによって行う: 表1 代表的な保存的アミノ酸置換] [0067] 本明細書および本特許請求の範囲を通して使用される、「実質的に〜から成る(consists essentially of)」という用語、または「実質的に〜から成る(consist essentially of)」または「実質的に〜から成る(consisting essentially of」のようなバリエーションは、あらゆる引用された要素または要素の群を含むこと、および特定された投与レジメ、方法、または組成物の基本的なまたは新規の性質を実質的に変化させない、引用された要素以外に同様のまたは異なる性質の他の要素を任意に含むことを示す。制限しない例として、実質的に引用されたアミノ酸配列から成る抗体またはその断片はまた、1つまたは複数のアミノ酸残基の置換を含む、結合化合物の性質に実質的に影響しない、1つまたは複数のアミノ酸を含み得る。] [0068] 「有効な量」は、医学的状態の症状または徴候を改善するかまたは予防するための十分な量を含む。有効な量はまた、診断を可能にするかまたは促進するために十分な量を意味する。特定の患者または獣医学的対象のための有効な量は、治療する状態、患者の全体的な健康、投与の方法、経路、および投与量、および副作用の重症度のような因子に依存して変更し得る(例えばNettiらに発行された米国特許第5,888,530号を参照のこと)。有効な量は、重大な副作用または毒性作用を回避する、最大用量または投与プロトコールであり得る。その効果は、少なくとも5%、通常少なくとも10%、より通常には少なくとも20%、最も通常には少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%、理想的には少なくとも70%、より理想的には少なくとも80%、そして最も理想的には少なくとも90%、診断尺度または診断パラメーターの改善をもたらし、ここで100%は正常対象によって示される診断パラメーターとして定義される(例えばMaynardら(1996)A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice、Interpharm Press、Boca Raton、FL;Dent(2001)Good Laboratory and Good Clinical Practice、Urch Publ.、London、UKを参照のこと)。] [0069] 「外来性」は、文脈に依存して、生物、細胞、またはヒトの体の外側で産生される物質を指す。] [0070] 「内因性」は、文脈に依存して、細胞、生物、またはヒトの体の中で産生される物質を指す。] [0071] 本明細書中で使用する場合、「単離された核酸分子」という用語は、抗体核酸の天然の供給源において通常付随している、少なくとも1つの混入核酸分子から同定および分離された核酸分子を指す。単離された核酸分子は、天然で見出される形態または状況以外である。単離された核酸分子は従って、天然の細胞に存在するような核酸分子と区別される。しかし、単離された核酸分子は、抗体を普通に発現する細胞に含まれる核酸分子を含み、ここで、例えばその核酸分子は、天然細胞のものとは異なる染色体位置にある。] [0072] 発現「調節配列」は、特定の宿主生物において、操作可能に連結したコーディング配列の発現に必要なDNA配列を指す。原核生物に適当な調節配列は、例えばプロモーター、任意でオペレーター配列、およびリボソーム結合部位を含む。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびエンハンサーを利用することが公知である。] [0073] 核酸は、別の核酸配列と機能的な関係に位置する場合、「操作可能に連結」している。例えば、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現するなら、プレ配列または分泌リーダーのDNAが、ポリペプチドに対するDNAに操作可能に連結している;その配列の転写に影響を与えるなら、プロモーターまたはエンハンサーが、コーディング配列に操作可能に連結している;または翻訳を促進するように位置するなら、リボソーム結合部位が、コーディング配列に操作可能に連結している。一般的に、「操作可能に連結」は、連結しているDNA配列が近接しており、そして分泌リーダーの場合、近接およびリーディングフェーズ(reading phase)にあることを意味する。しかし、エンハンサーは近接している必要はない。連結を、簡便な制限部位におけるライゲーションによって達成する。そのような部位が存在しないなら、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを、従来の実施によって使用する。] [0074] 本明細書中で使用する場合、「細胞」「細胞系統」および「細胞培養」という表現を交換可能に使用し、そして全てのそのような命名は子孫を含む。従って、「形質転換体」および「形質転換細胞」という言葉は、初代の対象細胞および移入の数に関わらずそれ由来の培養物を含む。故意の、または偶発性の変異のために、全ての子孫がDNA内容物において正確に同一では可能性があることも理解される。最初に形質転換した細胞においてスクリーニングされたのと同じ機能または生物学的活性を有する変異子孫が含まれる。別の命名が意図される場合、それは文脈から明らかである。] [0075] 本明細書中で使用する場合、「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、微量の、核酸、RNAおよび/またはDNAの特定の部分を、例えば米国特許第4,683,195号において記載されたように増幅する手順または技術を指す。一般的に、オリゴヌクレオチドプライマーをデザインし得るように、関心のある領域の末端またはそれを越えた配列情報が入手可能である必要がある;これらのプライマーは、増幅する鋳型の反対側の鎖と配列が同一であるかまたは類似である。2つのプライマーの5’末端ヌクレオチドは、増幅された物質の末端と一致し得る。PCRを使用して、特定のRNA配列、全ゲノムDNAからの特定のDNA配列、および全細胞RNA、バクテリオファージまたはプラスミド配列から転写されたcDNA等を増幅し得る。一般的に、Mullisら(1987)Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263;Erlich編(1989)PCR TECHNOLOGY(Stockton Press、NY)を参照のこと。本明細書中で使用する場合、PCRは、核酸の特定の部分を増幅するかまたは産生するために、プライマーとして公知の核酸および核酸ポリメラーゼの使用を含む、核酸テストサンプルを増幅するための核酸ポリメラーゼ反応法の、唯一ではないが1つの例と考えられる。] [0076] 本明細書中で使用する場合、「生殖系列配列」という用語は、再配列していない免疫グロブリンDNA配列の配列を指す。再配列していない免疫グロブリンDNAの任意の適当な供給源を使用し得る。] [0077] 「阻害剤」は、例えば遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、または細胞を、減少させるか、妨害するか、予防するか、活性化を遅延させるか、不活性化するか、脱感作するか、またはダウンレギュレートする化合物である。阻害剤はまた、構成的な活性を抑制するか、妨害するか、または不活性化する組成物として定義し得る。「アンタゴニスト」は、アゴニストの作用に対抗する化合物である。アンタゴニストは、アゴニストの活性を予防するか、抑制するか、阻害するか、または中和する。アンタゴニストはまた、同定されたアゴニストが存在しない場合でも、標的(例えば標的受容体)の構成的活性を予防するか、阻害するか、または抑制し得る。] [0078] 阻害の程度を調査するために、例えば所定の、例えばタンパク質、遺伝子、細胞、または生物を含むサンプルまたはアッセイを、潜在的な活性化剤または阻害剤で処置し、そして該薬剤無しのコントロールサンプルと比較する。コントロールサンプル(すなわち薬剤で処置していないもの)に、100%の相対的活性値を割り当てる。コントロールと比較した活性値が約90%以下、典型的には85%以下、より典型的には80%以下、最も典型的には75%以下、一般的には70%以下、より一般的には65%以下、最も一般的には60%以下、典型的には55%以下、通常50%以下、より通常には45%以下、最も通常には40%以下、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらにより好ましくは25%以下、そして最も好ましくは25%より低い場合、阻害が達成される。] [0079] 阻害におけるエンドポイントを、以下のようにモニターし得る。例えば細胞、生理学的液体、組織、臓器、および動物対象またはヒト対象の阻害および治療に対する反応を、エンドポイントによってモニターし得る。そのエンドポイントは、例えば炎症の徴候、腫瘍原性、またはサイトカイン、毒性酸素、またはプロテアーゼの放出のような、細胞の脱顆粒または分泌の、所定の量またはパーセンテージを含み得る。そのエンドポイントは、例えば所定の量のイオン流入または輸送;細胞遊走;細胞接着;細胞増殖;転移の可能性;細胞分化;および表現型の変化(例えば炎症、アポトーシス、形質転換、細胞周期、または転移に関連する遺伝子の発現における変化)を含み得る(例えばKnight(2000)Ann.Clin.Lab.Sci.30:145−158;HoodおよびCheresh(2002)Nature Rev.Cancer 2:91−100;Timmeら(2003)Curr.Drug Targets 4:251−261;RobbinsおよびItzkowitz(2002)Med.Clin.North Am.86:1467−1495;GradyおよびMarkowitz(2002)Annu.Rev.Genomics Hum.Genet.3:101−128;Bauerら(2001)Glia 36:235−243;StanimirovicおよびSatoh(2000)Brain Pathol.10:113−126を参照のこと)。] [0080] 阻害のエンドポイントは一般的に、コントロールの75%以下、好ましくはコントロールの50%以下、より好ましくはコントロールの25%以下、そして最も好ましくはコントロールの10%以下である。一般的に、活性化のエンドポイントは、少なくともコントロールの150%、好ましくは少なくともコントロールの2倍、より好ましくは少なくともコントロールの4倍、そして最も好ましくは少なくともコントロールの10倍である。] [0081] リガンド/受容体、抗体/抗原、または他の結合対に関する場合、「特異的に(specifically)」または「選択的に」結合することは、不均一なタンパク質の集団および/または他の生物製剤において、タンパク質、例えばTSLPRの存在を決定する結合反応を示す。従って、示された条件下で、特定のリガンド/抗原は、特定の受容体/抗体に結合し、そして有意な量ではサンプル中に存在する他のタンパク質に結合しない。] [0082] 企図される方法の抗体、または抗体の抗原結合部位由来の結合組成物は、無関係の抗原との親和性よりも少なくとも2倍高い、好ましくは少なくとも10倍高い、より好ましくは少なくとも20倍高い、そして最も好ましくは少なくとも100倍高い親和性で、その抗原に結合する。好ましい実施態様において、その抗体は、例えばスキャッチャード分析によって決定されるような、約109リットル/モルより高い親和性を有する(Munsenら(1980)Analyt.Biochem.107:220−239)。] [0083] 本明細書中で使用する場合、「炎症性疾患」という用語は、傷害または感染の部位における、局所的な炎症によって特徴付けられるあらゆる疾患または障害を指し、そして制限無しに、アレルギー性炎症、自己免疫疾患、および局所組織部位における望ましくない免疫細胞の蓄積によって特徴付けられる他の障害を含む。] [0084] 本明細書中で使用する場合、「免疫調節剤」という用語は、免疫反応を抑制または調節する、天然または合成の薬剤を指す。その免疫反応は、体液性または細胞性の反応であり得る。免疫調節薬は、免疫抑制剤または抗炎症剤を包含する。] [0085] 本明細書中で使用する「免疫抑制剤(immunosuppressive agent)」「免疫抑制剤(immunosuppressive drug)」または「免疫抑制剤(immunosuppressant)」は、免疫系の活性を阻害するかまたは予防するための免疫抑制治療において使用する治療薬である。臨床的に、それらを移植された臓器および組織(例えば骨髄、心臓、腎臓、肝臓)の拒絶を予防するために、および/または自己免疫疾患またはおそらく自己免疫起源の可能性が最も高い疾患(例えば関節リウマチ、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、多発性硬化症)の治療において使用する。免疫抑制剤を、4つの群:グルココルチコイド細胞増殖抑制薬;抗体(生体応答改変物質またはDMARDを含む);イムノフィリンに作用する薬剤;増殖性疾患の治療において使用される公知の化学療法剤を含む他の薬剤に分類し得る。特に、多発性硬化症に関して、本発明の抗体を、コパキソンとして公知の、新しい種類のミエリン結合タンパク質様治療薬と組み合わせて投与し得る。] [0086] 「抗炎症剤(anti−inflammatory agent)」または「抗炎症剤(anti−inflammatory drug)」は、ステロイド性および非ステロイド性の治療薬の両方を示すために使用する。コルチコステロイドとしても公知のステロイドは、コルチゾール(副腎によって天然に産生されるホルモン)によく似た薬剤である。ステロイドは、全身性血管炎(血管の炎症);および筋炎(筋肉の炎症)のような、ある炎症性の状態の主な治療薬として使用される。ステロイドをまた、関節リウマチ(体の両側の関節に起こる慢性の炎症性関節炎);全身性エリテマトーデス(異常な免疫系機能によって引き起こされる全身性の疾患);シェーグレン症候群(ドライアイおよびドライマウスを引き起こす慢性疾患)のような、炎症性の状態を治療するために選択的に使用し得る。] [0087] 通常NSAIDと省略される非ステロイド性抗炎症剤は、鎮痛、解熱、および抗炎症効果を有する薬剤である−それらは疼痛、発熱および炎症を抑制する。「非ステロイド性」という用語は、これらの薬剤を、(広い範囲の他の効果のなかで)同様のエイコサノイド抑制、抗炎症作用を有するステロイドと区別するために使用する。NSAIDは一般的に、以下の状態の症状の軽減に適応がある:関節リウマチ、変形性関節症;炎症性関節症(例えば強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、ライター症候群);急性痛風;月経困難症;転移性骨痛;頭痛および片頭痛;術後痛;炎症および組織損傷のための軽度から中等度の疼痛;発熱;および腎疝痛。NSAIDは、サリチル酸塩、アリールアルカン酸(arlyalknoic acids)、2−アリールプロピオン酸(プロフェン)、N−アリールアントラニル酸(フェナム酸)、オキシカム、コキシブ、およびスルホンアニリドを含む。] [0088] II.一般 本発明は、設計製作した抗TSLPR抗体を提供し、そして炎症性疾患、および特にアレルギー性炎症性疾患を治療するためのその使用を提供する。好ましい実施態様において、その炎症性疾患は喘息である。好ましい実施態様において、そのアレルギー性炎症性疾患は、アレルギー性鼻副鼻腔炎、アレルギー性喘息、アレルギー性結膜炎、またはアトピー性皮膚炎である。本発明はまた、線維症、炎症性腸疾患、またはホジキンリンパ腫を治療するための、設計製作した抗TSLPR抗体を提供する。] [0089] TSLPは、造血性(hematopoetic)サイトカインの「長鎖」ファミリーのメンバーである。「長鎖」サイトカイン/受容体認識の構造的基礎への洞察は、サイトカイン−受容体複合体の形成において、タンパク質表面の大きな領域が埋没しているが、相互作用の親和性は、結合界面の中心の、エネルギー性「ホットスポット」を形成する、少数の、多くの場合強く密集したアミノ酸残基によって支配されることを示した。大きなタンパク質−タンパク質界面の結合エネルギーを支配する残基のアイデンティティーは、「機能的エピトープ」と名付けられた。相互作用の親和性(および従って生物学的特異性)は、従ってリガンドおよび受容体の機能的エピトープの構造的相補性によって規定される。詳細な突然変異誘発研究が、サイトカインおよび受容体の機能的エピトープを構成する最も重要な残基は、トリプトファンのような非極性側鎖、非極性側鎖の脂肪族成分またはポリペプチドバックボーンのいずれかを含む疎水性接触であることを示した。非極性「コア」が、結合エネルギーに関してはより重要でない極性残基のかさ(halo)に囲まれている。動力学的な研究は、機能的エピトープの主な役割は、複合体の解離速度を減少させることによって、タンパク質−タンパク質相互作用を安定化することであることを示す。サイトカインと受容体の間の最初の接触は、無作為な拡散または多くの不安定な接触を生じるタンパク質表面の「ローリング」によって支配されることが示唆された。次いで受容体およびリガンドの機能的エピトープが結合する場合に、その複合体は安定化される(例えばBravoおよびHeath、前出を参照のこと)。] [0090] III.TSLPR特異的抗体の産生 モノクローナル抗体を産生するための適当な任意の方法を使用し得る。例えば、レシピエントをTSLPRまたはその断片で免疫し得る。任意の適当な免疫方法を使用し得る。そのような方法は、アジュバント、他の免疫賦活薬、反復する追加免疫、および1つまたは複数の免疫経路の使用を含み得る。] [0091] TSLPRの任意の適当な供給源を、本明細書中で開示された組成物および方法の、非ヒト抗体の産生のための免疫原として使用し得る。そのような形態は、当該分野で公知の、組換えの、合成の、化学的、または酵素的分解方法を介して生成した、連結したヘテロダイマーおよび天然に存在するヘテロダイマーを含むタンパク質全体、ペプチド(複数可)、およびエピトープを含むがこれに限らない。] [0092] 任意の形態の抗原を、生物学的に活性な抗体を産生するのに十分な抗体を産生させるために使用し得る。従って、誘発抗原は、単一のエピトープ、複数のエピトープ、またはタンパク質全体の単独、または1つまたは複数の当該分野で公知の免疫原性増強剤と組み合わせたタンパク質全体であってよい。その誘発抗原は、単離した全長タンパク質、細胞表面タンパク質(例えば少なくとも抗原の一部でトランスフェクトした細胞で免疫する)、または可溶性タンパク質(例えば、タンパク質の細胞外ドメイン部分のみで免疫する)であってよい。その抗原を、遺伝子改変した細胞において産生し得る。抗原をコードするDNAは、ゲノムまたは非ゲノム(例えばcDNA)であり得、そして少なくとも細胞外ドメインの一部をコードする。本明細書中で使用する場合、「一部」という用語は、関心のある抗原の免疫原性エピトープを構成する、最小の数のアミノ酸または核酸を適切に指す。アデノウイルスベクター、プラスミド、および陽イオン性脂質のような非ウイルス性ベクターを含むがこれに限らない、関心のある細胞の形質転換に適した任意の遺伝的ベクターを採用し得る。] [0093] TSLPRを阻害する望ましい生物学的性質を有する抗体を誘発するために、任意の適当な方法を使用し得る。マウス、げっ歯類、霊長類、ヒト等のような、様々な哺乳類宿主から、モノクローナル抗体(mAb)を調製することが望ましい。そのようなモノクローナル抗体を調製するための技術の説明を、例えばStitesら(編)BASICAND CLINICALIMMUNOLOGY(第4版)Lange Medical Publications、Los Altos、CA、およびそこで引用された参考文献;HarlowおよびLane(1988)ANTIBODIES: A LABORATORYMANUAL CSH Press;Goding(1986)MONOCLONALANTIBODIES: PRINCIPLESAND PRACTICE(第2版)Academic Press、New York、NYにおいて見出し得る。従って、当該分野の研究者によく知られた様々な技術によって、モノクローナル抗体を得ることができる。典型的には、望ましい抗原で免疫した動物からの脾臓細胞を、通常骨髄腫細胞との融合によって不死化する。KohlerおよびMilstein(1976)Eur.J.Immunol.6:511−519を参照のこと。不死化の代替の方法は、エプスタインバーウイルス、癌遺伝子、またはレトロウイルスによる形質転換、または当該分野で公知の他の方法を含む。例えば、Doyleら(編、1994および定期的な別冊)CELLAND TISSUE CULTURE: LABORATORY PROCEDURES、John Wiley and Sons、New York、NYを参照のこと。単一の不死化細胞から生じたコロニーを、抗原に対する望ましい特異性および親和性の抗体の産生に関してスクリーニングし、そしてそのような細胞によって産生されるモノクローナル抗体の収率を、脊椎動物宿主の腹膜腔への注射を含む様々な技術によって増強し得る。あるいは、例えばHuseら(1989)Science 246:1275−1281によって概略が述べられた一般的なプロトコールによって、ヒトB細胞からDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体またはその結合断片をコードするDNA配列を単離し得る。] [0094] 他の適当な技術は、ファージまたは同様のベクターにおける抗体のライブラリーの選択を含む。例えば、Huseら、Science 246:1275−1281(1989);およびWardら、Nature 341:544−546(1989)を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体を、キメラ抗体またはヒト化抗体を含めて、改変してまたは改変すること無しで使用し得る。しばしば、検出可能なシグナルを提供する物質を共有結合または非共有結合のいずれかで結合することによって、ポリペプチドおよび抗体を標識し得る。広く様々な標識および結合技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において広範囲に報告されている。適当な標識は、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子等を含む。そのような標識の使用を教示する特許は、米国特許第3,817,837;3,850,752;3,939,350;3,996,345;4,277,437;4,275,149;および4,366,241号を含む。また、組換え免疫グロブリンを作製し得るが、Cabillyの 米国特許第4,816,567号;およびQueenら(1989)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 86:10029−10033を参照のこと;またはトランスジェニックマウスにおいて組換え免疫グロブリンを産生し得るが、Mendezら(1997)Nature Genetics 15:146−156を参照のこと;AbgenixおよびMedarexの技術も参照のこと。] [0095] TSLPRの所定の断片に対する抗体または結合組成物を、ポリペプチドの、断片の、ペプチドの、または担体タンパク質を有するエピトープの結合物による動物の免疫によって生じさせ得る。モノクローナル抗体を、望ましい抗体を分泌する細胞から調製する。これらの抗体を、正常TSLPRまたは欠損TSLPRに対する結合に関してスクリーニングし得る。これらのモノクローナル抗体は、通常ELISAによって決定される、通常少なくとも約1μM、より通常には少なくとも約300nM、典型的には少なくとも約30nM、好ましくは少なくとも約10nM、より好ましくは少なくとも約3nMまたはそれよりよいKdで結合する。] [0096] IV.TSLPR特異的抗体のヒト化 超可変領域の供給源として、任意の適当な非ヒト抗体を使用し得る。非ヒト抗体の供給源は、マウス、ウサギ目(ウサギを含む)、ウシ、および霊長類を含むがこれに限らない。ほとんどの部分に関して、ヒト化抗体はヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、ここでレシピエントの超可変領域残基が、望ましい特異性、親和性、およびキャパシティーを有する、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類のような、非ヒト種(ドナー抗体)由来の超可変領域残基によって置換されている。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体において見出されない残基を含み得る。望ましい生物学的活性の抗体性能をさらに改良するために、これらの改変を行う。さらなる詳細に関して、Jonesら(1986)Nature 321:522−525;Reichmannら(1988)Nature 332:323−329;およびPresta(1992)Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596を参照のこと。] [0097] 抗体を組換え的に設計製作する方法は、例えばBossら(米国特許第4,816,397号)、Cabillyら(米国特許第4,816,567号)、Lawら(欧州特許出願公開第438310号)およびWinter(欧州特許出願公開第239400号)によって記載された。] [0098] ヒト化抗TSLPR抗体のアミノ酸配列変異体を、ヒト化抗TSLPR抗体DNAに適当なヌクレオチド変化を導入することによって、またはペプチド合成によって調製する。そのような変異体は、例えばヒト化抗TSLPR F(ab)に関して示されたアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはそれへの挿入、および/またはそれの置換を含む。最終的な構築物に達するために、その最終的な構築物が望ましい特徴を有している限り、欠失、挿入、および置換の任意の組み合わせを行う。そのアミノ酸変化はまた、糖鎖付加部位の数または位置の変更のような、ヒト化抗TSLPR抗体の翻訳後の過程を変更させ得る。] [0099] 突然変異誘発のために好ましい位置である、ヒト化抗TSLPR抗体ポリペプチドのある特定の残基または領域を同定する有用な方法は、CunninghamおよびWells(1989)Science 244:1081−1085によって記載されたように、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。ここで、残基または標的残基の基(group)を同定し(例えばArg、Asp、His、Lys、およびGluのような荷電残基)、そして中性または負に荷電したアミノ酸(最も好ましくはアラニンまたはポリアラニン)によって置換して、そのアミノ酸とTSLPR抗原の相互作用に影響を与える。次いでその置換に対して機能的感受性を示すアミノ酸残基を、置換の部位を更に導入するか、または置換の部位に他の変異体を導入するか、置換の部位の代わりに他の変異体を導入することによって改良する。従って、アミノ酸配列の変異を導入する位置は前もって決定するが、変異それ自体の性質は前もって決定する必要がない。例えば、所定の位置における変異の能力(performance)を分析するために、Alaスキャニングまたはランダム突然変異誘発を、標的コドンまたは領域で行い、そして発現したヒト化抗TSLPR抗体変異体を、望ましい活性に関してスクリーニングする。] [0100] アミノ酸配列の挿入は、長さが1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの範囲であるアミノ末端および/またはカルボキシル末端の融合、および単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例は、N末端メチオニン残基を有するヒト化抗TSLPR抗体またはエピトープタグに融合した抗体を含む。ヒト化抗TSLPR抗体分子の他の挿入変異体は、抗体の血清半減期を増加させる酵素またはポリペプチドの、ヒト化抗TSLPR抗体のN末端またはC末端への融合を含む。] [0101] 別の型の変異体は、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、ヒト化抗TSLPR抗体分子から除去され、そして異なる残基がその場所に挿入された、少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。置換突然変異誘発の最も高い関心のある部位は、超可変ループを含むが、FRの改変も企図される。抗原結合に関与する超可変領域残基またはFR残基は一般的に、比較的保存的な方式で置換される。] [0102] 抗体の別の型のアミノ酸変異体は、抗体のもとの糖鎖付加パターンを変化させる。変化によって、抗体において見出される1つまたは複数の炭水化物部分を除去すること、および/または抗体に存在しない1つまたは複数の糖鎖付加部位を加えることを意味する。抗体の糖鎖付加は、典型的にはN−結合型またはO−結合型のいずれかである。N−結合型は、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列のアスパラギン−X−セリンおよびアスパラギン−X−スレオニンが、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合の認識配列であり、ここでXはプロリン以外の任意のアミノ酸である。従って、ポリペプチドにおけるこれらトリペプチド配列いずれかの存在が、潜在的な糖鎖付加部位を生じる。O結合型糖鎖付加は、糖類のN−アセチルガラクトサミン(N−aceylgalactosamine)、ガラクトース、またはキシロースのうちの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も通常にはセリンまたはスレオニンへの結合を指すが、5−ヒドロキシプロリンまたは5−ヒドロキシリシンも使用し得る。] [0103] 抗体への糖鎖付加部位の追加は、1つまたは複数の上記で記載したトリペプチド配列(N結合型糖鎖付加部位に関して)を含むようにアミノ酸配列を変えることによって簡便に達成される。その改変はまた、もとの抗体の配列に対する、1つまたは複数のセリン残基またはスレオニン残基の追加、またはそれによる置換によって行い得る(O結合型糖鎖付加部位に関して)。] [0104] さらに別の型のアミノ酸変異体は、最終的なヒト化抗体のより高い化学的安定性を提供するための残基の置換である。例えば、げっ歯類CDR内の任意のNG配列におけるイソアスパルテートの形成の可能性を抑制するために、アスパラギン(N)残基を変え得る。1つの実施態様において、そのアスパラギンをグルタミン(Q)に変える。イソアスパルテートの形成は、抗体のその標的抗原への結合を弱らせ得るか、または完全に抑制し得る。Presta(2005)J.Allergy Clin.Immunol.116:731および734。それに加えて、抗原結合親和性を抑制し、そしてまた最終的な抗体調製物における分子の不均一性に寄与し得る、メチオニンの硫黄が酸化する可能性を抑制するために、げっ歯類CDRのメチオニン残基を変え得る。同上文献。1つの実施態様において、メチオニンをアラニン(A)に変える。そのような置換を有する抗体を、続いてその置換が、TSLPR結合親和性を許容不可能なレベルまで減少させないことを保証するためにスクリーニングする。] [0105] ヒト化TSLPR特異的抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子を、当該分野で公知の様々な方法によって調製する。これらの方法は、天然の供給源からの単離(天然に存在するアミノ酸配列変異体の場合)、またはオリゴヌクレオチドによる(または部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、およびヒト化抗TSLPR抗体の初期に調製した変異体または非変異体バージョンのカセット突然変異誘発による調製を含むがこれに限らない。] [0106] 通常、ヒト化抗TSLPR抗体のアミノ酸配列変異体は、もとのヒト化抗体の重鎖または軽鎖いずれかのアミノ酸配列と少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。この配列に関する同一性または相同性は本明細書中では、配列のアラインメントおよび必要ならギャップの導入後、任意の保存的置換を配列同一性の一部としてみなさずに、最大の配列同一性パーセントを達成するような、ヒト化抗TSLPR残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義する。抗体配列への、N末端、C末端、または内部の伸長、欠失、または挿入はどれも、配列同一性または配列相同性に影響を与えるとは解釈されない。] [0107] ヒト化抗体を、IgM、IgG、IgD、IgA、およびIgEを含む、任意のクラスの免疫グロブリンから選択し得る。好ましくは、その抗体はIgG抗体である。IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む、IgGの任意のアイソタイプを使用し得る。IgGアイソタイプの変異体も企図される。そのヒト化抗体は、複数のクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含み得る。望ましい生物学的活性を生じるために必要な定常ドメイン配列の最適化を、下記で記載する生物学的アッセイにおける抗体のスクリーニングによって容易に達成する。] [0108] 同様に、いずれのクラスの軽鎖も、本明細書中の組成物および方法において使用し得る。具体的には、カッパ、ラムダ、またはその変異体が、本組成物および方法において有用である。] [0109] 非ヒト抗体由来のCDR配列の任意の適当な部分を使用し得る。CDR配列が使用したヒトおよび非ヒトの抗体配列と識別可能となるように、該CDR配列を、少なくとも1残基の置換、挿入、または欠失によって突然変異誘発し得る。そのような変異は最低限であることが企図される。典型的には少なくとも75%、より多くの場合90%、そして最も好ましくは95%より多くのヒト化抗体残基が、非ヒトCDR残基のものに対応する。] [0110] ヒト抗体由来のFR配列の任意の適当な部分を使用し得る。FR配列が使用したヒトおよび非ヒトの抗体配列と識別可能となるように、該FR配列を、少なくとも1残基の置換、挿入、または欠失によって突然変異誘発し得る。そのような変異は最低限であることが企図される。典型的には少なくとも75%。より多くの場合90%、そして最も好ましくは95%より多くのヒト化抗体残基が、ヒトFR残基のものに対応する。] [0111] CDR残基およびFR残基を、Kabatの標準的な配列定義によって決定する。Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、National Institutes of Health、Bethesda Md.(1987)。] [0112] 表2は、ある特定のマウスおよびヒトの可変重鎖CDRの配列識別子情報を提供する。表3は、ある特定のマウスおよびヒトの可変軽鎖CDRの配列識別子情報を提供する。] [0113] 表2 重鎖配列およびドメイン] [0114] 表3 軽鎖配列およびドメイン] [0115] m13H5およびhu13H5CDR−H1配列は、] [0116] である。m13H5およびhu13H5CDR−H2配列は、] [0117] である。m13H5およびhu13H5CDR−H3配列は、] [0118] である。hu13H5CDR−H2の代替配列は、] [0119] である。] [0120] m13H5およびhu13H5CDR−L1配列は、] [0121] である。m13H5およびhu13H5CDR−L2配列は、] [0122] である。m13H5およびhu13H5CDR−L3配列は] [0123] である。hu13H5CDR−L3の代替配列は、] [0124] である。] [0125] m13H5可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号49で示す。] [0126] m13H5可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号50で示す。] [0127] hu13H5可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号51で示す。] [0128] hu13H5可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号52で示す。] [0129] hu13H5の可変重鎖の代替配列を、配列番号53において見出し得る(図3A)。位置24のアミノ酸は、AまたはVであり得る。位置48のアミノ酸は、VまたはLであり得る。位置49のアミノ酸は、AまたはGであり得る。位置64のアミノ酸は、MまたはKであり得る。位置67のアミノ酸は、FまたはLであり得る。位置71のアミノ酸は、RまたはQであり得る。位置76のアミノ酸は、NまたはSであり得る。位置78のアミノ酸は、LまたはVであり得る。位置97のアミノ酸は、RまたはKであり得る。位置111のアミノ酸は、LまたはSであり得る。(アミノ酸位置64における可能性のある変化は、Asnの脱アミド(deamdation)またはメチオニン酸化による可能性のある問題を軽減し得る。) hu13H5の可変軽鎖の代替配列を、配列番号54において見出し得る(図3B)。位置70のアミノ酸は、DまたはNであり得る。位置92のアミノ酸は、NまたはQであり得る。位置70における潜在的変化の可能性は、マウス抗体に存在するN結合型糖鎖付加部位をヒト化抗体に導入である。] 図3A 図3B [0130] m70E8およびhu70E8CDR−H1配列は、] [0131] である。m70E8およびhu70E8CDR−H2配列は、] [0132] である。 m70E8およびhu70E8CDR−H3配列は、] [0133] である。] [0134] m70E8およびhu70E8CDR−L1配列は、] [0135] である。m70E8およびhu70E8CDR−L2配列は、] [0136] である。m70E8およびhu70E8CDR−L3配列は、] [0137] である。] [0138] m70E8可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号55で示す。] [0139] m70E8可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号56で示す。] [0140] hu70E8重鎖アミノ酸配列を、配列番号57で示す。] [0141] hu70E8軽鎖アミノ酸配列を、配列番号58で示す。] [0142] m54C11およびhu54C11CDR−H1配列は、] [0143] である。m54C11およびhu54C11CDR−H2配列は、] [0144] である。m54C11およびhu54C11CDR−H3配列は、] [0145] である。] [0146] m54C11およびhu54C11CDR−L1配列は、] [0147] である。m54C11およびhu54C11CDR−L2配列は、] [0148] である。m54C11およびhu54C11CDR−L3配列は、] [0149] である。] [0150] m54C11可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号59で示す。] [0151] m54C11可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号60で示す。] [0152] hu54C11重鎖アミノ酸配列を、配列番号61で示す。] [0153] hu54C11軽鎖アミノ酸配列を、配列番号62で示す。] [0154] m49A5CDR−H1配列は、] [0155] である。m49A5CDR−H2配列は、] [0156] である。m49A5CDR−H3配列は、] [0157] である。] [0158] m49A5CDR−L1配列は、] [0159] である。m49A5CDR−L2配列は、] [0160] である。m49A5CDR−L3配列は、] [0161] である。] [0162] m49A5可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号63で示す。] [0163] m49A5可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号64で示す。] [0164] m4G8CDR−H1配列は、] [0165] である。m4G8CDR−H2配列は、] [0166] である。m4G8CDR−H3配列は、] [0167] である。] [0168] m4G8CDR−L1配列は、] [0169] である。m4G8CDR−L2配列は、] [0170] である。m4G8CDR−L3配列は、] [0171] である。] [0172] m4G8可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号65で示す。] [0173] m4G8可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号66で示す。] [0174] m54A11CDR−H1配列は、] [0175] である。m54A11CDR−H2配列は、] [0176] である。m54A11CDR−H3配列は、] [0177] である。] [0178] m5A411CDR−L1配列は、] [0179] である。m54A11CDR−L2配列は、] [0180] である。m54A11CDR−L3配列は、] [0181] である。] [0182] m54A11可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号67で示す。] [0183] m54A11可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号68で示す。] [0184] m61C11CDR−H1配列は、] [0185] である。m61C11CDR−H2配列は、] [0186] である。m61C11CDR−H3配列は、] [0187] である。] [0188] m61C11CDR−L1配列は、] [0189] である。m61C11CDR−L2配列は、] [0190] である。m61C11CDR−L3配列は、] [0191] である。] [0192] m61C11可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号69で示す。] [0193] m61C11可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号70で示す。] [0194] r18B3CDR−H1配列は、] [0195] である。r18B3CDR−H2配列は、] [0196] である。r18B3CDR−H3配列は、] [0197] である。] [0198] r18B3CDR−L1配列は、] [0199] である。r18B3CDR−L2配列は、] [0200] である。r18B3CDR−L3配列は、] [0201] である。] [0202] r18B3可変重鎖アミノ酸配列を、配列番号71で示す。] [0203] r18B3可変軽鎖アミノ酸配列を、配列番号72で示す。] [0204] キメラ抗体も企図される。上記で述べたように、典型的なキメラ抗体は、特定の種由来、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一の、または相同的な重鎖および/または軽鎖の一部を含み、一方鎖(複数可)の残りの部分は、別の種由来の、または別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体、およびそれらが望ましい生物学的活性を示す限りそのような抗体の断片における対応する配列と同一、または相同的である(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855)。] [0205] 二重特異性抗体も、本方法および組成物において有用である。本明細書中で使用する場合、「二重特異性抗体」という用語は、少なくとも2つの異なる抗原性エピトープに対して結合特異性を有する抗体、典型的にはモノクローナル抗体を指す。1つの実施態様において、そのエピトープは同じ抗原由来である。別の実施態様において、そのエピトープは2つの異なる抗原由来である。二重特異性抗体を作製する方法は、当該分野で公知である。例えば、二重特異性抗体を、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖ペアの同時発現を用いて組換え的に産生し得る。例えば、Milsteinら(1983)Nature 305:537−39を参照のこと。あるいは、二重特異性抗体を、化学的結合を用いて調製し得る。例えば、Brennanら(1985)Science 229:81を参照のこと。二重特異性抗体は、二重特異性抗体断片を含む。例えば、Hollingerら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−48、Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと。] [0206] さらに他の実施態様において、異なる定常ドメインを、本明細書中で提供されたヒト化VLおよびVHの領域に付加し得る。例えば、本発明の抗体(または断片)の特定の意図する使用が、変化したエフェクター機能を要求することであった場合、IgG1以外の重鎖定常ドメインを使用し得る。IgG1抗体は長い半減期、および補体活性化および抗体依存性細胞傷害活性のようなエフェクター機能を提供するが、そのような活性は、抗体の全ての使用にとって望ましくないかもしれない。そのような場合には、例えばIgG4定常ドメインを使用し得る。] [0207] V.ヒト化抗TSLPRの生物学的活性 ヒト化抗TSLPR抗体において望ましいと本明細書中で同定された特徴を有する抗体を、インビトロにおける生物学的活性の阻害に関してまたは適当な結合親和性に関してスクリーニングし得る。関心のある抗体(例えば、サイトカインのその受容体への結合を阻害するもの)が結合する、ヒトTSLPR上のエピトープに結合する抗体に関してスクリーニングするために、ANTIBODIES、A LABORATORYMANUAL、Cold Spring Harbor Laboratory、Ed HarlowおよびDavid Lane(1988)において記載されたような、通常の交差阻害アッセイを行い得る。同じエピトープに結合する抗体は、そのようなアッセイにおいて交差阻害する可能性が高いが、交差阻害は、近くの、または重複さえしているエピトープに結合した抗体による抗体結合の立体障害に起因し得るので、全ての交差阻害抗体が、必ずしも正確に同じエピトープに結合するわけではない。] [0208] あるいは、例えばChampeら(1995)J.Biol.Chem.270:1388−1394において記載されたような、エピトープマッピングを行って、その抗体が関心のあるエピトープに結合するかどうかを決定し得る。CunninghamおよびWells(1989)Science 244:1081−1085によって記載されたような「アラニンスキャニング突然変異誘発」、またはいくつかの他の形式の、ヒトTSLPRにおけるアミノ酸残基の点突然変異誘発も、本発明の抗TSLPR抗体の機能的エピトープを決定するために使用し得る。しかし、突然変異誘発研究はまた、TSLPRの3次元構造全体に対して重要であるが、抗体−抗原接触に直接関与していないアミノ酸残基を明らかにし得、そして従ってこの方法を用いて決定された機能的エピトープを確認するために、他の方法が必要であり得る。] [0209] 特異的抗体が結合するエピトープをまた、ヒトTSLPRの断片を含むペプチドに対する抗体の結合を評価することによって決定し得る。ヒトTSLPRのアミノ酸配列を、米国特許第6,982,320号の配列番号2において示す(GenBank受け入れ番号ABE16323.1;GenBank受け入れ番号NP_071431も参照のこと)。TSLPRの配列を含む、一連の重複するペプチドを合成し、そして例えば直接ELISA、競合的ELISA(ここでそのペプチドを、マイクロタイタープレートのウェルに結合したTSLPRに対する抗体の結合を阻害する能力に関して評価する)、またはチップにおいて、結合に関してスクリーニングし得る。そのようなペプチドスクリーニング法は、いくつかの不連続的な機能的エピトープ、すなわちTSLPRポリペプチド鎖の一次配列に沿って近接していないアミノ酸残基を含む機能的エピトープを検出できないかもしれない。] [0210] 本発明の抗体が結合するエピトープをまた、X線結晶構造決定(例えばWO2005/044853)、分子モデリングおよび、フリーの場合、および関心のある抗体との複合体において結合している場合の、TSLPRにおける不安定なアミド水素のH−D交換速度のNMRによる決定を含む(Zinn−Justinら(1992)Biochemistry 31、11335−11347;Zinn−Justinら(1993)Biochemistry 32、6884−6891)、核磁気共鳴(NMR)分析法のような、構造的方法によって決定し得る。] [0211] X線結晶学に関して、マイクロバッチ(例えばChayen(1997)Structure 5:1269−1274)、ハンギングドロップ蒸気拡散(例えばMcPherson(1976)J.Biol.Chem.251:6300−6303)、シーディングおよび透析を含む、当該分野で公知の方法のいずれかを用いて、結晶化を達成し得る(例えばGiegeら(1994)Acta Crystallogr.D50:339−350;McPherson(1990)Eur.J.Biochem.189:1−23)。少なくとも約1mg/mL、そして好ましくは約10mg/mLから約20mg/mLの濃度を有するタンパク質調製物を使用することが望ましい。ポリエチレングリコール1000−20,000(PEG;約1000から約20,000Daの範囲の平均分子量)、好ましくは約5000から約7000Da、より好ましくは約6000Daを、約10%から約30%(w/v)の範囲の濃度で含む沈殿剤溶液中で、結晶化を最も良く達成し得る。タンパク質安定化剤、例えばグリセロールを約0.5%から約20%の範囲の濃度で含むことも望ましくあり得る。塩化ナトリウム、塩化リチウム、またはクエン酸ナトリウムのような適当な塩が、好ましくは約1mMから約1000mMの範囲の濃度で、沈殿剤溶液において存在することもまた望ましくあり得る。その沈殿剤を、好ましくは約3.0から約5.0、好ましくは約4.0のpHに緩衝化する。沈殿剤溶液において有用な特定の緩衝剤を変えることができ、そしてそれらは当該分野で周知である(Scopes、Protein Purification: Principles and Practice、第3版(1994) Springer−Verlag、New York)。有用な緩衝剤の例は、HEPES、Tris、MES、および酢酸塩を含むがこれに限らない。結晶は、2℃、4℃、8℃、および26℃を含む、広い範囲の温度で成長し得る。] [0212] 抗体:抗原の結晶を、周知のX線回折技術を用いて研究し得、そしてX−PLOR(Yale University、1992、Molecular Simulations,Inc.によって配布;例えばBlundellおよびJohnson(1985)Meth.Enzymol.114および115、H.W.Wyckoffら編、Academic Press;米国特許出願公開第2004/0014194を参照のこと)、およびBUSTER(Bricogne(1993)Acta Cryst.D49:37−60;Bricogne(1997)Meth.Enzymol.276A:361−423、CarterおよびSweet編;Roversiら(2000)Acta Cryst.D56:1313−1323)のような、コンピューターソフトウェアを用いて精密にし得、それらの開示は本明細書によってその全体が参照として援用される。] [0213] 本発明の抗体と同じエピトープに結合するさらなる抗体を、例えばTSLPRに対して向けられた抗体をエピトープに対する結合に関してスクリーニングすることによって、またはエピトープ配列を含むヒトTSLPRの断片を含むペプチドで動物を免疫することによって得ることができる。同じ機能的エピトープに結合する抗体は、受容体/リガンド結合の阻害のような、同様の生物学的活性を示すことが予測され得、そしてそのような活性を、抗体の機能的アッセイによって確認し得る。] [0214] 抗体親和性(例えばヒトTSLPRに関する)を、標準的な分析を用いて決定し得る。好ましいヒト化抗体は、ヒトTSLPRに、約1×10−7以下;好ましくは約1×10−8以下;より好ましくは約1×10−9以下;そして最も好ましくは約1×10−10M以下のKD値で結合するヒト化抗体である。] [0215] 本組成物および方法において有用な抗体およびその断片は、生物学的に活性な抗体および断片である。本明細書中で使用する場合、「生物学的に活性な」という用語は、望ましい抗原性エピトープに結合し、そして直接または間接的に生物学的効果を発揮することができる抗体または抗体断片を指す。典型的には、これらの効果はTSLPRがそのリガンドと結合できないことから起こる。1つの実施態様において、本組成物および方法において有用な抗体およびその断片は:hTSLP受容体およびIL−7RアルファでトランスフェクトしたBaf−3細胞系統の、hTSLP誘導性増殖;TSLP受容体およびルシフェラーゼリポーターシステムでトランスフェクトしたBaf−3細胞系統からの、hTSLP誘導性ルシフェラーゼ発現;PBMCから単離したヒト一次単球からの、hTSLP誘導性TARC分泌;およびTh2分化の誘発を阻害する。] [0216] 本明細書中で使用する場合、「特異的」という用語は、標的抗原エピトープに対する抗体の選択的結合を指す。TSLPRに対する結合を、無関係の抗原または無関係の抗原混合物に対する結合と、所定のセットの条件下で比較することによって、抗体を結合の特異性に関して試験し得る。抗体が、無関係の抗原または無関係の抗原混合物に対するよりも、少なくとも10倍、そして好ましくは50倍より多くTSLPRに結合するなら、それは特異的であると考えられる。TSLPRに「特異的に結合する」抗体は、TSLPR由来配列を含まないタンパク質に結合しない、すなわち、本明細書中で使用される「特異性」は、TSLPR特異性に関連し、そして問題のタンパク質に存在し得るいかなる他の配列とも関連しない。例えば、本明細書中で使用する場合、TSLPRに「特異的に結合する」抗体は典型的に、TSLPRおよびFLAG(登録商標)ペプチドタグを含む融合タンパク質であるFLAG−hTSLPRに結合するが、FLAG(登録商標)ペプチドタグのみに結合しないか、またはそれがTSLPR以外のタンパク質と融合している場合には結合しない。] [0217] VI.医薬組成物 医薬組成物または滅菌組成物を調製するために、抗体またはその断片を、薬学的に許容可能な担体または賦形剤と混合する(例えばRemington’s Pharmaceutical SciencesおよびU.S.Pharmacopeia:National Formulary、Mack Publishing Company、Easton、PA(1984)を参照のこと)。治療薬および診断薬の調合を、例えば凍結乾燥粉末、スラリー、水性溶液または懸濁液の形態で、生理学的に許容可能な担体、賦形剤、または安定剤と混合することによって調製し得る(例えばHardmanら(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、MacGraw−Hill、New York、NY;Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy、Lippincott、Williams and Wilkins、New York、NY;Avisら(編)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications、Marcel Dekker、NY;Liebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Marcel Dekker、NY;Liebermanら(編)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems、Marcel Dekker、NY;WeinerおよびKotkoskie(2000)Excipient Toxicity and Safety、Marcel Dekker,Inc.、NYを参照のこと)。] [0218] 単独で、または免疫抑制剤と組み合わせて投与された、抗体組成物の毒性および治療的効果を、例えばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養物または実験動物において、標準的な薬学的手順によって決定し得る。毒性作用および治療効果の間の用量比が治療係数であり、そしてそれをLD50およびED50の間の比として表し得る。高い治療係数を示す抗体が好ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータを、ヒトにおいて使用するための投与量の範囲を調合することにおいて使用し得る。そのような化合物の投与量は、好ましくは毒性がほとんど無いか、または全く無い、ED50を含む循環濃度の範囲内にある。その投与量は、採用された投与剤型および利用する投与経路に依存して、この範囲内で変えることができる。] [0219] 適当な投与経路は、筋肉内、静脈内、または皮下投与のような非経口投与を含む。医薬組成物において使用されるか、または本発明の方法を実施するために使用される抗体の投与を、経口摂取、吸入、局所適用、または皮膚、皮下、腹腔内、非経口、動脈内または静脈内注射のような、様々な従来の方法において行い得る。1つの実施態様において、本発明の結合化合物を、静脈内投与する。別の実施態様において、本発明の結合化合物を、皮下に投与する。] [0220] あるいは、例えば関節炎の関節、または免疫病理学によって特徴付けられる病原体による病変に、多くの場合デポーまたは徐放性調合物において、直接抗体を注射することによって、抗体を全身性の方式ではなく局所に投与し得る。さらに、標的化薬剤伝達システム、例えば、例えば関節炎の関節または免疫病理学によって特徴付けられる病原体による病変を標的とする組織特異的抗体で覆われたリポソームにおいて抗体を投与し得る。そのリポソームは、罹患した組織を標的とし、そして罹患した組織によって選択的に取り込まれる。] [0221] 治療のための投与レジメの選択は、その実体の血清または組織の代謝回転速度、症状のレベル、その実体の免疫原性、および生物学的マトリックスにおけるその標的細胞の接近しやすさを含む、いくつかの因子に依存する。好ましくは、投与レジメは、許容可能なレベルの副作用と一致して、患者へ送達する治療薬の量を最大限にする。よって、送達される生物製剤の量は、部分的にはその特定の実体および治療する状態の重症度に依存する。抗体、サイトカイン、および小分子の適当な投与量を選択するガイダンスが利用可能である(例えば、Wawrzynczak(1996)Antibody Therapy、Bios Scientific Pub.Ltd、Oxfordshire、UK;Kresina(編)(1991)Monoclonal Antibodies、Cytokines and Arthritis、Marcel Dekker、New York、NY;Bach(編)(1993)Monoclonal Antibodies and Peptide Therapy in Autoimmune Diseases、Marcel Dekker、New York、NY;Baertら(2003)New Engl.J.Med.348:601−608;Milgromら(1999)New Engl.J.Med.341:1966−1973;Slamonら(2001)New Engl.J.Med.344:783−792;Beniaminovitzら(2000)New Engl.J.Med.342:613−619;Ghoshら(2003)New Engl.J.Med.348:24−32;Lipskyら(2000)New Engl.J.Med.343:1594−1602を参照のこと)。] [0222] 適当な投与量の決定を、例えば治療に影響するか、または治療に影響すると予測される、当該分野で公知のまたは当該分野で考えられるパラメーターまたは因子を用いて、医師が行う。一般的に、その投与量は、最適な投与量よりいくらか低い量から始め、そしてその後あらゆる負の副作用と比較して、望ましいかまたは最適な効果を達成するまで、小さい増加量で増加させる。重要な診断的尺度は、例えば炎症の症状の尺度、または産生される炎症性サイトカインのレベルを含む。好ましくは、使用する生物製剤は、治療の標的となる動物と同じ種由来であり、それによって試薬に対する炎症性の、自己免疫性の、または増殖性の反応を最小限にする。] [0223] 抗体、抗体断片、およびサイトカインを、連続的注入によって、または例えば1日の、1週間の間隔における、または1週間あたり1−7回の投薬によって提供し得る。投与量を、静脈内、皮下、局所、経口、鼻腔内、直腸内、筋肉内、脳内、脊髄内、または吸入によって提供し得る。好ましい投薬プロトコールは、重大な望ましくない副作用を回避する、最大投与量または投与頻度を含むものである。1週間の総投与量は一般的に、少なくとも0.05μg/kg体重、より一般的には少なくとも0.2μg/kg、最も一般的には少なくとも0.5μg/kg、典型的には少なくとも1μg/kg、より典型的には少なくとも10μg/kg、最も典型的には少なくとも100μg/kg、好ましくは少なくとも0.2mg/kg、より好ましくは少なくとも1.0mg/kg、最も好ましくは少なくとも2.0mg/kg、最適には少なくとも10mg/kg、より最適には少なくとも25mg/kg、最も最適には少なくとも50mg/kgである(例えば、Yangら(2003)New Engl.J.Med.349:427−434;Heroldら(2002)New Engl.J.Med.346:1692−1698;Liuら(1999)J.Nuerol.Neurosurg.Psych.67:451−456;Portieljiら(20003)Cancer Immunol.Immunother.52:133−144を参照のこと)。望ましい投与量の小分子治療薬、例えばペプチド模倣物、天然産物、または有機化学物質は、モル/kgベースで抗体またはポリペプチドに対するものとおよそ同じである。] [0224] 本明細書中で使用する場合、「阻害する」または「治療する」または「治療」は、自己免疫疾患または病原体によって誘発された免疫病理に関連する症状の発達の延期、および/または発現する、または発現することが予測される、そのような症状の重症度の低減を含む。その用語はまた、既存のコントロール不能な、または望ましくない自己免疫関連または病原体誘発の免疫病理症状を軽減すること、さらなる症状を予防すること、およびそのような症状の基礎にある原因を軽減するかまたは予防することを含む。従って、その用語は、炎症性疾患を有する脊椎動物対象に、有用な結果が与えられたことを示す。] [0225] 本明細書中で使用する場合、「治療的に有効な量」または「有効な量」という用語は、単独で、またはさらなる治療薬と組み合わせて、細胞、組織、または対象に投与した場合、自己免疫疾患または病原体誘発の免疫病理関連疾患または状態または疾患の進行を予防または改善するのに有効である、抗TSLPR抗体またはその断片の量を指す。治療的に有効な投与量はさらに、症状の軽減、例えば関連する医学的状態の治療、治癒、予防または軽減、またはそのような状態の治療、治癒、予防または軽減の率の増加をもたらすのに十分な化合物の投与量を指す。単独で投与された個々の活性成分に適用する場合、治療的に有効な投与量は、その成分単独を指す。組み合わせに適用する場合、治療的に有効な投与量は、組み合わせて、連続的に、または同時に投与されたかどうかに関わらず、治療的効果をもたらす活性成分の組み合わせた量を指す。治療薬の有効な量は、症状を典型的には少なくとも10%;通常少なくとも20%;好ましくは少なくとも約30%;より好ましくは少なくとも40%、そして最も好ましくは少なくとも50%減少させる。] [0226] 2番目の治療薬(例えばサイトカイン、ステロイド、化学療法剤、抗生物質、または照射)との同時投与の方法またはそれらによる治療の方法は、当該分野で周知であり、例えばHardmanら(編)(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics、第10版、McGraw−Hill、New York、NY;PooleおよびPeterson(編)(2001)Pharmacotherapeutics for Advanced Practice: A Practical Approach、Lippincott、Williams & Wilkins、Phila.、PA;ChabnerおよびLongo(編)(2001)Cancer Chemotherapy and Biotherapy、Lippincott、Williams & Wilkins、Phila.、PAを参照のこと。本発明の医薬組成物はまた、他の免疫抑制剤または免疫調節剤を含み得る。抗炎症剤、コルチコステロイド、シクロスポリン、タクロリムス(すなわちFK−506)、シロリムス、インターフェロン、可溶性サイトカイン受容体(例えばsTNRFおよびsIL−1R)、サイトカイン活性を中和する薬剤(例えばインフリキシマブ(inflixmab)、エタネルセプト)、ミコフェノール酸モフェチル、15−デオキシスパガリン、サリドマイド、グラチラマー、アザチオプリン、レフルノミド、シクロホスファミド、メトトレキセート、等を含むがこれに限らない、任意の適当な免疫抑制剤を採用し得る。その医薬組成物をまた、光線療法および照射のような、他の治療様式と共に採用し得る。] [0227] 典型的な獣医学的対象、実験対象、または研究対象は、サル、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウサギ、モルモット、ウマ、およびヒトを含む。] [0228] VII.抗体産生 本発明の抗体の組換え産生のために、2つの鎖をコードする核酸を単離し、そしてさらなるクローニング(DNAの増幅)のためまたは発現のために、1つまたは複数の複製可能なベクターに挿入する。モノクローナル抗体をコードするDNAを、従来の手順を用いて容易に単離および配列決定する(例えば抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)。多くのベクターが利用可能である。そのベクター成分は一般的に、1つまたは複数の以下のものを含むがこれに限らない:シグナル配列、複製起点、1つまたは複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列。1つの実施態様において、本発明のヒト化抗TSLPR抗体の軽鎖および重鎖の両方が、同じベクター、例えばプラスミドまたはアデノウイルスベクターから発現する。] [0229] 本発明の抗体を、当該分野で公知の任意の方法によって産生し得る。1つの実施態様において、抗体を培養で、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児由来腎臓(HEK)293細胞、マウス骨髄腫NSO細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、Spodoptera frugiperda卵巣(Sf9)細胞のような、哺乳類または昆虫の細胞で発現する。1つの実施態様において、CHO細胞から分泌された抗体を回収し、そしてプロテインA、陽イオン交換、陰イオン交換、疎水性相互作用、およびヒドロキシアパタイトのクロマトグラフィーのような、標準的なクロマトグラフの方法によって精製する。得られた抗体を濃縮し、そして20mMの酢酸ナトリウム塩、pH5.5中で保存する。] [0230] 別の実施態様において、本発明の抗体を、WO2005/040395において記載された方法によって、酵母において産生する。簡単には、関心のある抗体の個々の軽鎖または重鎖をコードするベクターを、異なる酵母一倍体細胞、例えば酵母Pichia pastoris(その酵母一倍体細胞は任意選択で補完的な栄養要求株である)の異なる接合型へ導入する。形質転換した一倍体酵母細胞を、次いで接合するかまたは融合して、重鎖および軽鎖両方を産生し得る二倍体酵母細胞を生じ得る。次いでその二倍体株は、完全に組み立てられた、そして生物学的に活性な抗体を分泌し得る。例えば異なるコピー数のベクターを用いることによって、異なる強さの転写プロモーターを用いることによって、または1つまたは両方の鎖をコードする遺伝子の転写を駆動する誘導性プロモーターからの発現を誘導することによって、2つの鎖の相対的発現レベルを最適化し得る。] [0231] 1つの実施態様において、抗TSLPR抗体の重鎖および軽鎖それぞれを、酵母一倍体細胞へ導入して、複数の軽鎖を発現する1つの接合型の一倍体酵母株のライブラリー、および複数の重鎖を発現する異なる接合型の一倍体酵母株のライブラリーを作成する。これらの一倍体株のライブラリーを接合(またはスフェロプラストとして融合)して、軽鎖および重鎖の様々な可能性のある並べ替えから成る、抗体のコンビナトリアルライブラリーを発現する一連の二倍体酵母細胞を産生し得る。次いでその抗体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングして、いずれの抗体が、もとの抗体のものより優れた性質(例えばTSLPRに対するより高い親和性)を有するかを決定し得る。例えば、WO2005/040395を参照のこと。] [0232] 別の実施態様において、本発明の抗体は、ヒトドメイン抗体であり、ここで抗体の可変ドメインの部分が、分子量約13kDaのポリペプチドに結合している。例えば、米国特許公開第2004/0110941号を参照のこと。そのような単一ドメイン、低分子量の薬剤は、合成の容易さ、安定性、および投与経路に関して多くの利点を提供する。] [0233] VIII.使用 本発明は、炎症性疾患の治療および診断のために、設計製作した抗TSLPRを使用する方法を提供する。] [0234] 好ましい実施態様において、その炎症性疾患は喘息である。] [0235] 別の好ましい実施態様において、その炎症性疾患は、アレルギー性炎症性疾患である。好ましい実施態様において、そのアレルギー性炎症性疾患は、アレルギー性鼻副鼻腔炎、アレルギー性喘息、アレルギー性結膜炎、またはアトピー性皮膚炎である。] [0236] 本発明は、線維症、炎症性腸疾患、ホジキンリンパ腫、呼吸器ウイルス感染症または他のウイルス感染症、関節リウマチ、または損傷部位における炎症によって特徴付けられる任意の他の疾患の治療および診断のために、設計製作した抗TSLPRを使用する方法を提供する。] [0237] 本発明の広い範囲は、以下の実施例を参照することによって最もよく理解され、それは本発明を特定の実施態様に制限することを意図しない。] [0238] 本明細書中における全ての引用は、あたかも個々の出版物または特許出願それぞれが、明確におよび個々に参考文献に組み込まれるということを示すのと同じ程度に、本明細書中で参考文献に組み込まれる。] [0239] 当業者に明らかであるように、本発明の多くの改変および変更を、その意図および範囲から離れることなく行い得る。本明細書中で記載された特定の実施態様は、例としてのみ提供され、そして本発明は、添付の特許請求の範囲が権利を有する同等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の用語によって制限される;そして本発明は、例として本明細書中で提示された特定の実施態様によって制限されない。] [0240] 実施例1 一般的な方法 分子生物学における標準的な方法が記載される(Maniatisら(1982)Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;Wu(1993)Recombinant DNA、第217巻、Academic Press、San Diego、CA)。標準的な方法はまた、Ausbelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology、第1−4巻、John Wiley and Sons,Inc.、New York、NYにおいても見られ、それは細菌細胞におけるクローニングおよびDNA突然変異誘発(第1巻)、哺乳類細胞および酵母におけるクローニング(第2巻)、複合糖質およびタンパク質発現(第3巻)、およびバイオインフォマティクス(第4巻)を記載する。] [0241] 免疫沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、遠心、および結晶化を含む、タンパク質精製の方法が記載される(Coliganら(2000)Current Protocols in Protein Science、第1巻、John Wiley and Sons,Inc.、New York)。化学分析、化学修飾、翻訳後修飾、融合タンパク質の産生、タンパク質の糖鎖付加が記載される(例えばColiganら(2000)Current Protocols in Protein Science、第2巻、John Wiley and Sons,Inc.、New York;Ausubelら(2001)Current Protocols in Molecular Biology、第3巻、John Wiley and Sons,Inc.、NY、NY、16.0.5−16.22.17頁;Sigma−Aldrich,Co.(2001)Products for Life Science Research、St.Louis、MO、45−89頁;Amersham Pharmacia Biotech(2001)BioDirectory、Piscataway、N.J.、384−391頁を参照のこと)。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の産生、精製、および断片化が記載される(Coliganら(2001)Current 49A5Protocols in Immunology、第1巻、John Wiley and Sons,Inc.、New York;HarlowおよびLane(1999)Using Antibodies、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY;HarlowおよびLane、前出)。リガンド/受容体相互作用を特徴付けるための標準的な技術が利用可能である(例えば、Coliganら(2001)Current Protocols in Immunology、第4巻、John Wiley,Inc.、New Yorkを参照のこと)。] [0242] 蛍光標識細胞分取(FACS)を含む、フローサイトメトリーの方法が利用可能である(例えば、Owensら(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice、John Wiley and Sons、Hoboken、NJ;Givan(2001)Flow Cytometry、第2版、Wiley−Liss、Hoboken、NJ;Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry、John Wiley and Sons、Hoboken、NJを参照のこと)。例えば診断試薬として使用するための、核酸プライマーおよびプローブを含む核酸、ポリペプチド、および抗体を改変するために適当な蛍光試薬が利用可能である(Molecular Probes(2003)Catalogue、Molecular Probes,Inc.、Eugene、OR;Sigma−Aldrich(2003)Catalogue、St.Louis、MO)。] [0243] 免疫系の組織学の標準的な方法が記載される(例えば、Muller−Harmelink(編)(1986)Human Thymus:Histopathology and Pathology、Springer Verlag、New York、NY;Hiattら(2000)Color Atlas of Histology、Lippincott,Williams,and Wilkins、Phila、PA;Louisら(2002)Basic Histology:Text and Atlas、McGraw−Hill、New York、NYを参照のこと)。] [0244] 例えば抗原性断片、リーダー配列、タンパク質フォールディング、機能的ドメイン、糖鎖付加部位、および配列アラインメントを決定するためのソフトウェアパッケージおよびデータベースが利用可能である(例えば、GenBank、VectorNTI(登録商標) Suite(Informax,Inc.、Bethesda、MD);GCG Wisconsin Package(Accelrys,Inc.、San Diego、CA);DeCypher(登録商標)(TimeLogic Corp.、Crystal Bay、Nevada);Menneら(2000)Bioinformatics 16:741−742;Menneら(2000)Bioinformatics Applications Note 16:741−742;Wrenら(2002)Comput.MethodsPrograms Biomed.68:177−181;von Heijne(1983)Eur.J.Biochem.133:17−21;von Heijne(1986)Nucleic Acids Res.14:4683−4690を参照のこと)。] [0245] 実施例2 マウス抗TSLPR抗体の産生 ヒトTSLPRに対するマウス抗体を、以下のプロトコールによって産生した:5匹のBALB/cマウスを、1、7、33、48、77、85、92、および99日目に、その右後足蹠において、50マイクロリットルのCorixaMPL+TDMアジュバント(Sigma M6535−1VL)中5マイクログラムのhTSLPR−Ig融合物で免疫した。109日目に、膝窩節および鼠径節の両方由来の細胞を、電気融合を用いて、骨髄腫細胞(ATCCP3×63Ag8.653)と融合した。] [0246] その手順は、表4および6において記載するマウス抗体を産生するハイブリドーマを含む、約28個のハイブリドーマの産生をもたらした。マウス13H5抗体を産生するハイブリドーマ(LB55−13H5.2C3と命名された)を、2008年3月25日にATCC(登録商標)(10801 University Boulevard、Manassas、VA20110−2209 USA)に寄託し、そしてATCC(登録商標)Deposit DesignationPTA−9111を受けた。] [0247] TSLPR−Ig融合物の産生:TSLPRの断片を、既にC−末端IgおよびN−末端フラッグを含むCMVGFPアデノベクターへライゲーションした。TSLPR断片を、HindIII部位を用いて、これら2つの領域の間にクローニングした。このクローンをHEK293細胞へトランスフェクトし、そしてTSLPR−Igタンパク質を、標準的な手順を用いて、M2抗Flag抗体アガロースカラムでアフィニティー精製した。] [0248] 実施例3 ラット抗TSLPR抗体LB1.18B3の産生 ヒトTSLPRに対するラット抗体を、以下のプロトコールによって産生させた:1匹のラットを、1mlの完全フロイントアジュバント中50マイクログラムのhTSLPR−Ig融合物の腹腔内注射によって免疫し、そして不完全フロイントアジュバント中25−50マイクログラムのhTSLPR−Ig融合物で、皮下および/または腹腔内に14日間隔で、7回追加免疫した。脾臓由来の細胞を、PEGを用いて骨髄腫細胞(ATCCP3×63Ag8.653)と融合した。] [0249] 実施例4 抗ヒトTSLPR抗体のヒト化 マウス抗ヒトTSLPR抗体13H5のヒト化を、実質的に、参考文献に組み込まれるPCT特許出願公開WO2005/047324およびWO2005/047326に記載されたように行った。] [0250] 抗TSLPRモノクローナル抗体(13H5)の可変軽鎖および可変重鎖のドメインをクローニングし、そしてそれぞれヒトカッパ軽鎖(CLドメイン)およびヒトIgG1重鎖(CH1−ヒンジ−CH2−CH3)と融合した。] [0251] 非ヒトVHドメインのアミノ酸配列を、3つのヒトVH生殖系列アミノ酸配列のグループ;サブグループIGHV1、IGHV3、およびIGHV4のそれぞれからの1つの代表と比較した。VHサブグループを、M.−P.Lefranc、「Nomenclature of the Human Immunoglobulin Heavy(IGH)Genes」、Experimental and Clinical Immunogenetics、18:100−116、2001において列挙する。マウス13H5抗体は、サブグループVH−IIIにおいて、ヒト重鎖生殖系列IGHV3−30に対して最も高い得点であった。] [0252] マウス13H5に関して、VL配列は、VLのカッパサブクラスのものであった。非ヒトVLドメインのアミノ酸配列を、4つのヒトVLカッパ生殖系列アミノ酸配列のグループと比較した。4つのグループは、V.BarbieおよびM.−P.Lefranc、「The Human Immunoglobulin Kappa Variable(IGKV)Genes and Joining(IGKJ)Segments」、Experimental and Clinical Immunogenetics、15:171−183、1998およびM.−P.Lefranc、「Nomenclature of the Human Immunoglobulin Kappa(IGK)Genes」、Experimental and Clinical Immunogenetics、18:161−174、2001において列挙された、4つの確立したヒトVLサブグループそれぞれからの1つの代表から成る。4つのサブグループはまた、Kabatら、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Pub.91−3242、第5版、1991、103−130頁において列挙された4つのサブグループに対応する。マウス13H5抗体は、サブグループVLk−1において、ヒト軽鎖生殖系列IGKV1−39に対して最も高い得点であった。] [0253] 一旦可変重鎖および可変軽鎖の標的アミノ酸配列を決定したら、全長ヒト化抗体をコードするプラスミドを産生した。ヒト化全長ヒトIgG1重鎖および全長ヒトカッパ軽鎖をコードするコドン最適化DNAを、商業上の売主(GeneArt AG、Regensburg、Germany)を用いて合成した。ヒト化重鎖および軽鎖の可変アミノ酸配列を、配列番号51および52において示す。全長ヒト化重鎖および軽鎖アミノ酸配列を、配列番号53および54で示す。ヒト化重鎖および軽鎖のアミノ酸配列をコードする核酸を、配列番号73および74で示す。] [0254] マウス可変領域およびヒト定常領域を含む、キメラ13H5抗体を作製した;タンパク質を産生し、そして結合に関して試験した。試験は、親抗体と匹敵する親和性を実証した。配列番号50の位置69に、糖鎖付加部位が存在する。抗体の結合のために、この位置における糖鎖付加は必要でない。抗体のヒト化は、糖鎖付加を除去した。] [0255] ヒトγ1鎖の重鎖定常領域コーディング配列を、γ4鎖のもので置換することによって、上記で記載したhu13H5抗体のIgG4アイソタイプを作製し得る。突然変異(例えばKabatナンバリングに基づくSer241Proにおける点突然変異)を、γ4配列のヒンジ領域に導入して、抗体を細胞培養で発現および産生する場合に半分の分子の形成を回避し得る。] [0256] マウス抗体70E8および54C11を、上記で記載した手順によってヒト化し得る。マウス70E8抗体および54C11抗体は、サブグループVHIにおいて、ヒト重鎖生殖系列IGHV1−8に対して最も高い得点である。マウス70E8抗体および54C11抗体は、サブグループVL−IVにおいて、ヒト鎖生殖系列IGKV4−1に対して最も高い得点である。マウス70E8抗体および54C11抗体の可変領域の代表的なヒト化配列を、配列番号57−58および61−62において提供する。] [0257] 実施例5 ELISAを用いた、抗ヒトTSLPR抗体のEC50の決定 ELISAは、実施例2によって産生され、そして表4において報告された特定のマウス抗TSLPR抗体のEC50を測定する。その抗体をハイブリドーマ上清から精製し、そしてhis−hTSLPRまたはcTSLPR−Igを用いて、結合親和性を決定した。] [0258] his−hTSLPRの産生:配列番号75のアミノ酸配列を有する、hTSLPR−ECTO−Hisを、pCMV1ベクターにライゲーションしてpCMV1−hTSLPR−ECTO−RGS6XHisを産生し、HEK293F細胞において一時的にトランスフェクトし、そして標準的な手順を用いて、GE Healthcareから購入したIMACカラムを用いて、細胞培養培地から精製した。簡単には、そのカラムを5カラム容量の10mMイミダゾール、0.5M塩化ナトリウム、PBSpH8.0で平衡化した。培養培地を、IMACカラムに添加した。添加物を、同じ平衡化緩衝液で洗い流した。結合した物質を、250mMイミダゾール、0.5M塩化ナトリウム、PBS、pH8.0における単一工程の溶出を用いて溶出した。精製した物質を、20mM酢酸ナトリウム、7%ショ糖、pH5.5において透析した。そのサンプルをろ過し、タンパク質濃度をOD280nmの測定によって決定した。そのサンプルを、SDS−PAGEおよびSEC−HPLCによって分析した。]
权利要求:
請求項1 ヒトTSLPRおよびcynoTSLPRに特異的に結合する結合化合物であって:配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片;あるいは配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片を含む、結合化合物。 請求項2 配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、少なくとも1つの抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片;および配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される少なくとも1つのCDR配列を含む、少なくとも1つの抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片を含む、請求項1に記載の結合化合物。 請求項3 前記抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片が、配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される少なくとも2つのCDR配列を含み;そして前記抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片が、配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される少なくとも2つのCDR配列を含む、請求項2に記載の結合化合物。 請求項4 前記抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片が、配列番号1、2、3、73、7、8、9、13、14、15、19、20、21、25、26、27、31、32、33、37、38、39、43、44および45、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される3つのCDR配列を含み;そして前記抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片が、配列番号4、5、6、74、10、11、12、16、17、18、22、23、24、28、29、30、34、35、36、40、41、42、46、47、および48、または任意の該配列の変異体から成る群から選択される3つのCDR配列を含む、請求項2に記載の結合化合物。 請求項5 前記抗体重鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片が、配列番号1のCDR−H1配列またはその変異体、配列番号2のCDR−H2配列またはその変異体、および配列番号3または配列番号73のCDR−H3配列またはその変異体を含み;そして前記抗体軽鎖可変領域またはそのTSLPR結合断片が、配列番号4のCDR−L1配列またはその変異体、配列番号5のCDR−L2配列またはその変異体、および配列番号6または配列番号74のCDR−L3配列またはその変異体を含む、請求項4に記載の結合化合物。 請求項6 配列番号53の残基1〜116を含む重鎖可変領域またはその変異体;および配列番号54の残基1〜108を含む軽鎖可変領域またはその変異体を含む、請求項5に記載の結合化合物。 請求項7 配列番号51の残基1〜116を含む重鎖可変領域またはその変異体;および配列番号52の残基1〜108を含む軽鎖可変領域またはその変異体を含む、請求項5に記載の結合化合物。 請求項8 前記変異体が、3個までの保存的に改変されたアミノ酸残基を含む、請求項6に記載の結合化合物。 請求項9 ヒトTSLPおよびcynoTSLPに特異的に結合する結合化合物であって:配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する重鎖可変領域;および配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有する軽鎖可変領域を含む、結合化合物。 請求項10 請求項1に記載の結合化合物の重鎖可変領域または軽鎖可変領域のうちの少なくとも一つをコードする単離された核酸。 請求項11 請求項10に記載の核酸配列を含む発現ベクターであって、宿主細胞が該ベクターでトランスフェクトされる場合、該宿主細胞により認識されるコントロール配列に作動可能に連結する、発現ベクター。 請求項12 請求項11に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。 請求項13 ポリペプチドを産生する方法であって:核酸配列が発現される条件下で培地において請求項12に記載の宿主細胞を培養し、それによって軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含むポリペプチドを産生する工程;および該ポリペプチドを該宿主細胞または培地から回収する工程を含む、方法。 請求項14 ヒト重鎖定常領域または20個までの保存的に改変されたアミノ酸置換を含むその変異体;あるいはヒト軽鎖定常領域または20個までの保存的に改変されたアミノ酸置換を含むその変異体をさらに含む、請求項1に記載の結合化合物。 請求項15 前記ヒト重鎖定常領域が、γ4またはγ1のヒト重鎖定常領域またはその変異体を含み、ここで該変異体は、20個までの保存的に改変されたアミノ酸置換を含む、請求項14に記載の結合化合物。 請求項16 Fab、Fab’、Fab’−SH、Fv、scFv、F(ab’)2、およびダイアボディから成る群から選択される、TSLPR結合抗体断片である、請求項1に記載の結合化合物。 請求項17 ヒト対象において免疫応答を抑制する方法であって、該抑制を必要とする対象に、TSLPRの生物学的活性を阻害するのに有効な量で、請求項1に記載の結合化合物またはそのTSLPR結合断片を投与する工程を含む、方法。 請求項18 前記免疫応答が、炎症性応答である、請求項17に記載の方法。 請求項19 薬剤学的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせた、請求項1に記載の結合化合物を含む、組成物。 請求項20 抗体13H5、70E8、54C11、49A5、4G8、54A11、61C11および18B3からなる群から選択される抗体により結合される、ヒトTSLP上のエピトープに特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片。 請求項21 抗体13H5、70E8、54C11、49A5、4G8、54A11、61C11および18B3から成る群から選択される抗体へのTSLPRの結合を競合的に阻害する抗体またはその抗原結合断片。 請求項22 交差阻害アッセイにおいて、TSLPR媒介性活性を阻害するかまたはTSLPのTSLPRへの結合を阻害する、請求項1に記載の結合化合物。 請求項23 免疫応答を抑制するための医薬の調製のための、請求項1に記載の結合化合物またはそのTSLPR結合断片の使用。
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